30、没落

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ちなみに、ヴィヴィアンヌ様がおっしゃっていたカリエール伯爵家も切り売りを始めている。 もちろんそれもグレイ館に伝えてある。 他にも、貴族の子女が入ったら連絡を貰う事にはなっている。 なぜ貴族が没落するのか? 領地持ちは、領地の不作で借金をしてしまう。 国から借りれば、救済措置もあるけど、なんせ金利が高い。 だから低金利の平民が運営している金貸しから借りてしまう。 平民だからとバカにしている貴族程、窮地に陥るのが早いんだけどね。 他には、甘い言葉に黙れてたボンボンが下町で借金をし、膨大な金額に陥ってしまうとか。 ま、全ては人間性なんだろうな。 当主ないし、嫡男が仕出かせば、一家諸共吹けば飛ぶ。 主家も分家も一族皆丸裸にされてしまう。 一蓮托生だね。 「エリザベス様」 「イスが話をするの?」 「申し訳ございません」 今日もアラベルが私の尻の下にいる。 何もせずただイスとなっている。 「アラベル」 「はい」 「最近で一番羽振りが良かった方はどなた?」 「シャルル夫人です」 「シャルル夫人?」 「侯爵家の方です。当主は騎士団長らしいです」 「あー、シャルー侯爵ね。奥様はシャルル様とおっしゃるの」 「ご本人にそれを言うと激怒されるらしいですよ」
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