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「いや、だって、アルとルル、カミールにそっくりだろ? それに、タイプも同じって言う事は…… もしかして、俺が入院してる時に…… 」
口に手を当て、ブツブツと呟いているアミールに、あきれ気味の伊織。
「…… お前マジで鏡見ろよ…… 双子なんだろ? お前達…… 」
「アミールって、仕事の時はあんなに頭がキレるのに、一花の事になると、本当おバカになるよね 」
そんなおバカな弟が可愛くてしょうがないよ、僕はと、ポンポンと肩を叩く。
「ちゃんと、男になりなよ」
「…… どう言う意味だ? 」
解せない……、と唇を尖らせるアミールは幼く見える。
「一花、手」
ホラ、っと伊織がチャリッと鍵を取り出して、掌の上に乗せた。
目だけで一瞬チラッと、アミールを見てから、私に視線を送る。
…… わかってる、とばかりに私はコクリと首を縦に振った。
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