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「アルとルルの事。 あの二人は、あなたと別れを決めたあの日に出来た、あなたとの子供なの。 帰国してから暫くして妊娠がわかって…… 、迷ったけれど、産む事を決めたの 」
アミールはじっと黙って私の話を聞いていた。
「私、施設で育ったの。 伊織とは施設仲間で、私にとっては兄的存在。 身内って呼べるのは彼だけだった。 ずっと、ずっと夢だったの…… 、 好きな人と家族を作るのが。だから、双子が出来た時、迷ったけれど、どうしても産もうって……。 大好きな、アミールとの子供だったから 」
私の告白に、アミールは目を見開いて、息を呑んだ。
「…… 大好き…… 」
ボソっと、私の言葉を反芻する。
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