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「ましてや、この国は一夫多妻が認められている。 少なくなったとはいえ、一部の富裕層では未だに、何人も妻を持つ者もいる」
「……一夫多妻…… 」
(そういう国があるとは、聞いた事があったが、まさかここが、そうだったなんて、思ってもいなかったわ…… )
何故か、モヤモヤした気持ちが、心の中に広がった。
(なんだろう…… この感情…… )
突然の情報と、自分の言い表わせない感情を整理出来なくて、戸惑いを隠せない私をよそに、現地スタッフは言葉を続ける。
「まあ、第二夫人、第三夫人なら、外国人でも、可能性があるかもしれないがね。 兎に角、私としては業務に支障がある様な事は、困るんだよ」
「特に、寄付金が貰えなくなる様な、面倒はね…… 」
ボソッと、小さな声で彼は呟き、前方の病室に目を向けた。
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