婚約者

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(こんな事をしなくても、私なんてなんの魅力もないのにな…… )  割れた花瓶を拾う。 (全てを持っている彼の隣には、自信に満ち溢れた彼女のような人が、相応しいんだな…… )  重く、積み重なるモヤモヤした気持ちを持て余し、落ち着く為に、スゥーッと深く深呼吸をする。 (考えたって仕方ないわ。 ただの看護師の私に出来ることは、患者さんを一緒懸念看護する事だけ)  沈んだ気持ちを切り替え様と、ウン、ウンッと自分を納得させるように、一人頷く。 「?!……っ 」  切れてジワっと血が滲んだ指を、そっと舐める。 「痛いな…… 」
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