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気になって、一度様子を見に行ったが、丁度アイシャが病室に入る所で、彼女はアミールに腕を絡ませていた。
「一花!!」
煌びやかな笑みで、ドアを開けようとしたアミールが、ゴフォ、ゴフォッと胸を押さえて咳き込んだ。
「あっ!」
慌てて駆け寄ろうと、手を伸ばした私の手の前で、
「ごきげんよう」
と、勝ち誇った顔を向けたアイシャが、パタンとドアを閉めた。
「ほら、無理しちゃダメよ。 私がお水飲ませてあげるから」
「…… ああ…… 」
「寒くない? ね、私にくっついていれば、暖かいでしょ」
病室からは、寄り添い、尽くすアイシャの弾んだ声が響いてきた。
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