婚約者

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 アミールの為に何もしてあげられない、自分がもどかしくなる。 (仕方ないわ……、私はただの看護師…… 。 仕事として、彼の看護をしてたまでだもの…… )  ハァーッと小さな溜息を吐く。 (…… これじゃ、子供の頃、施設の子達を羨ましがったのと同じじゃない…… )    「今日は、入浴介助すると言っていた」  「ランチは彼女の手作りだ」  「夜も心配で病室に泊まっている」  「退院後、すぐに入籍するらしい」 その後も現地スタッフが私の元へ、病状? イヤ、もうコレは、ラブライフ? を、伝えに来る。  アミールの病状が、知れるのは嬉しいが、二人の楽しそうな様子を聞くたびに、モヤモヤとしたものが、身体の奥から湧き上がってくる。 (ヤダヤダッ、何これ全然消えない! 気持ち悪い! ……疲れてるのかな私…… )  正体不明な初めての感情に振り回され、気持ちが沈む。  それでもやっぱり、ふとした瞬間に、気がつくとアミールの事を考えてしまう。 (会いたいな…… )
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