645人が本棚に入れています
本棚に追加
アミールの為に何もしてあげられない、自分がもどかしくなる。
(仕方ないわ……、私はただの看護師…… 。 仕事として、彼の看護をしてたまでだもの…… )
ハァーッと小さな溜息を吐く。
(…… これじゃ、子供の頃、施設の子達を羨ましがったのと同じじゃない…… )
「今日は、入浴介助すると言っていた」
「ランチは彼女の手作りだ」
「夜も心配で病室に泊まっている」
「退院後、すぐに入籍するらしい」
その後も現地スタッフが私の元へ、病状? イヤ、もうコレは、ラブライフ? を、伝えに来る。
アミールの病状が、知れるのは嬉しいが、二人の楽しそうな様子を聞くたびに、モヤモヤとしたものが、身体の奥から湧き上がってくる。
(ヤダヤダッ、何これ全然消えない! 気持ち悪い! ……疲れてるのかな私…… )
正体不明な初めての感情に振り回され、気持ちが沈む。
それでもやっぱり、ふとした瞬間に、気がつくとアミールの事を考えてしまう。
(会いたいな…… )
最初のコメントを投稿しよう!