別れ

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「三日後だって」  一瞬、思考が停止する。 「はぁ?!」 「いくら何でも、急すぎるよね」  柴田の言葉に、コクコクと頷く。 「でも、これを逃したら、今度いつ帰れるか、全然見通しが立たないって言ってたよ。 それだけ、このウィルスが怖いって事なんだよ」 「そう、なんだ…… 」 (帰国…… か。 日本に帰ったら、今よりもアミールに会うのが、難しくなる)  日本に帰れるのは嬉しい筈なのに、帰りたくない自分がいる。 「大丈夫? 今診てる患者さんに、気になる症状の子でもいるの?」 (気になる子…… ) 柴田の言葉に、やっぱり浮かぶのは、アミールの顔。 (…… なんでここでアミールが浮かぶの? これじゃまるで私…… って、え?…… え?!)  自分の気持ちに気づき、驚きで目をこれでもか、と大きく見開き、片手で口元を思わず押さえる。 (……違う、違う。 女神なんて、嬉しい事言われて頼られて、長い時間一緒にいたせいで勘違いしている、だけ、だよ、ね…… )  自分に問いかけるが、心が否定する。 「……好き……?」  声が微かに震えしまう。
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