別れ

5/30
前へ
/193ページ
次へ
「そうなんだ。 んじゃ尚更、その好きな人に会うために、早く日本に帰らないとね」  グフフッ…… と笑い、日本に思い人がいると勘違いした柴田は、 「そうそう、帰国前だから明日は一日オフだって。時間もないし、早く荷物纏めなよ」 そう言い残すと、またね、と仕事に戻って行った。   (好きな人…… 好きな人…… )  彼女の言葉を何度繰り返してみても、浮かぶのは、蕩けるような熱い視線を向ける、アミールの顔だ。 (…… ひゃあああああぁっー! わ、わ、私やっぱりアミールさんの事好きなの?! この感情が恋?!)  ワタワタと落ち着かない。 (私も今、施設の子達みたくキラキラしてるの?)
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!

645人が本棚に入れています
本棚に追加