天使は、あくまで機械である

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天使は、あくまで機械である

 世界を変えた一人の男!ゼンノウは、ワタシの尊敬する天才アーキテクト。ある日、ゼンノウは“天使”を発明して世界の在り方をまるまる変えちゃったんだ。それこそが今世紀最大の発明!人類史上まれに見る偉業だよ!  確かにゼンノウは天才だけど、ワタシだって負けられない!ワタシは、サイハ。十四歳の女の子だけど、もう学校には通ってないよ。だってワタシには教室よりも断然居心地のいい職場があるんだからね!  ほら、今日だって街に異変が起きてる。誰かがワタシに助けを求めてる。今朝になってワタシの構えてる事務所に駆け込んできたのは、かつて同級生だった男の子。名前はレイヤ。やたら慌ただしく上がり込んでくるなり、 「おい、どうなってんだよ!?」  っていきなり詰め寄ってきたものだから、さすがのワタシでも困っちゃったよ。 「ちょっと!いきなりなんなの!?」 「学校やめたって!オマエ、ホントに学校やめちゃったのかよ!?」 「いつの話してるの?もうひと月前にやめてるよ」  その時、ワタシのタブレット端末に一通のメールが届いた。すぐに開いて目を通した途端、その内容に思わず椅子を立った。
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