天使は、あくまで機械である

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「別に学校なんてずっと前から行ってないし。とにかく、心配してくれるのはいいけど邪魔だけはしないで!」 「物が勝手に動くんだっけ。この屋敷、幽霊でも住み着いてんじゃないのか?」  そうやってどうでもいい話をしてる最中だった。屋敷のすべての扉が突然、がちゃんと音を立ててひとりでに施錠されてしまった。窓だって開かない。  ワタシとピコちゃん(ついでにレイヤ)は、屋敷に閉じ込められちゃった。でも、とっくにワタシはすべての事態を把握してる。この屋敷には、ワタシと同じ調律師の脅威が迫っている。そんなことなどつゆしらず、レイヤは慌てふためいて騒ぎ始めた。 「ドアがびくともしねぇ!どうなってる!?」 「調律師の仕業だよ」 「えっ、じゃあオマエの仕業なのか!?」 「ちがうよ!ワタシとは別の調律師が悪さしてるってこと!」  でも、調律師を相手取ってる以上、閉じ込められただけじゃ済まない。ふと気付くと、ソファの肘掛けに一羽の小鳥が留まってた。大人の親指くらいの大きさで、全身が青白く発光してる。一見すると宝石みたいで綺麗だからねぇ、おこちゃまピコちゃんはついつい触ろうとしちゃったの。
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