天使は、あくまで機械である

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 ありえないことが起きた!ワタシが驚愕している間にも、レイヤは「行こう!」とピコちゃんを連れて屋敷から脱出しようと試みた!ワタシも慌てて二人について行った。居間を抜け出してみると、廊下にまで所狭しとドローンが飛び交っている。ワタシたちはドローンの群れを突っ切って廊下をひた走り、どうにか玄関口にたどり着いた。そこでは一人の少年がワタシたちを待ち受けていた。彼こそが敵調律師。その名は、アラシ!  アラシは高校生の男の子だけど、はっきり言って不良。顔はいいけど、目つき悪いし正直怖い…。それでも放っておくわけにはいかないから、ワタシは矢面に立ってアラシを止めることにした。 「アラシ!この屋敷を攻撃してるのはキミだな~!」 「やっと来やがったか…!このオレを待たせやがって、サイハ!」  言動はちょっと不良っぽいけど、調律師としての腕前だけは優秀。だから、将来を有望視されているはずなのに。 「今すぐ攻撃をやめてよ!ピコちゃんが怖がってる!」 「ガキなんざ関係ねぇ。オレの狙いは最初からオマエだったんだよ、サイハ!」 「じゃあ、こどもを巻き込まないで!」
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