寛人の疑問

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「この前の飲み、これなかったじゃないですか。みんながっかりしてて。風沢さん都合いい時あります? 行きましょうよ」 「あーうんそうね」  テンション高く話しかけてくるその女子社員は、先日こう言っていたやつだ。『水野さんが契約トップにいるのは不思議、枕とかやってるんですかねえ』と。あの時も注意したが、今になってそのセリフが急にムカついてくる。  目の前のボールペンを意味もなく芯を出し入れした。カチカチと規則的な音が耳に届く。 「ちょっとしばらく忙しいかなーって。またいつかな」  そう告げると、残念そうな顔をする女子社員を放ってパソコンに向いた。七海に負けないように仕事を始めるとしましょう。  だが背後にいた女はまだそこにいた。弾むような声でさらに俺を誘った。 「じゃ、今日お昼ランチ行きませんか? すぐ近くに美味しいカフェみつけて」 「お昼、ねえ」  俺はぼんやり呟く。普段は昼は外回りの時にコンビニで済ますかどっかの店に行くかだ。たまに社食かな。  ちらりと横を見ると七海が何かを必死に読み込んでいる。また勉強でもしてるのかな。
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