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同じ営業部で同期の風沢寛人は、私とは正反対の人間だった。
いつでも明るく誰とでも気軽に話せる。何も考えてないような顔して笑っているくせに、営業成績はいつも私と並ぶぐらい良いのが癪だった。
私はこの会社に入社してから必死に仕事をこなした。愛想もいい方ではないし口が上手いわけでもない自覚はあったから、その分相手のことを調べまくって下準備をして挑む。誠意をもって接することだけは忘れず、最初は難しかった契約もどんどん取れるようになってきていた。
ここに来てもう四年目。誰よりも負けない努力をしてきた自信はある。
対して風沢は、その子犬みたいな人懐こさで相手の心に入り込むのが非常に上手かった。外見も関係しているかもしれない。
随分顎を上げなければ顔がみえない高身長に、毛先が少し癖毛でいる。すっと通った鼻筋に大きな目は、色んな人の視線を集めるのには十分すぎる外見だ。そして害のなさそうな笑顔は目尻に皺ができて子供のよう。
女子社員たちはみんな風沢にうっとり見惚れていた。私を除いて、だが。
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