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それからしばらくして。赤い魚が泳いでいると、見たことのない生き物と出会いました。
手のひらにえらがついており、体の半分が緑色。目がギョロッとしています。
「やあ、こんにちは」
「こ、こんにちは……」
思わずあいさつをしてしまいました。
「君はここの湖の魚かい?」
「そ、そうだけど……。君は?」
「僕はカエル。いろいろなところを旅しているのさ。ちょっと外が暑くてね。ちょうど湖があって涼もう思って立ち寄ったのさ」
話を聞いた魚は驚きました。
「き、君地上から来たのかい?」
「そうだよ」
「だったら聞かせてほしい。地上になにがあるのかを!」
「いいとも、ちょうど誰かと話をしたいなあと思っていたところさ」
それから赤い魚は、カエルからたくさんのことを聞きました。
地上には自分以外にもたくさんの生き物がいること。空を飛ぶ生き物がいること。木や花といった植物があること。きれいな植物がいるけど、なかには怖い植物がいること。雨や雪などの天気があること。などなど色々な話を聞いているうちに、奥深くにしまっていた思いが再び輝き始めました。
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