姉と弟と泥棒猫と ──1──

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「うふふ、よかったわねフカヒレちゃん。 ご主人様と一緒に行けれて」 「しゃくー」  いつの間にか主にされているんだが。  あ、そういえば……。 「悪い、ルエル。 勝手に決めちまって」 「ああ、別に構わん」 「いやでも懐いてるって言っても一応はサメな訳だし、色々勘違いされるんじゃないか? 特にこの状況だと」 「可能性はあるかもしれんが、まぁ大した問題ではないだろう。 仮に剣を向けられたとしても、共に戦っているところでも見せれば無闇に斬りつけたりはしてこないと思うがな」  ふむ、確かに。  敵の敵は味方とも言うし、なんとかなるか。 「わかった、じゃあ俺達は外で待ってるよ。 また後でな、ルエル」 「ああ、忙しいのにすまんな。 準備をするから少し……」  カレリアの方へと目を向けたルエルがフリーズした。  その理由は明らかにアレのせいだろう。  カレリアが今正にヒラヒラさせているアレ。  コルセットのせいで間違いない。   「ま、待てカレリア! それだけは勘弁してくれ! そのコルセットだけは着たくないのだ、だから……! おい、笑いながら近寄ってくるな、気持ち悪い! たたっ斬るぞ! ……わ、わかった! 以前断ったあのドレスを着よう! それで今回は手打ちに────!」  必死の抵抗空しく、ルエルはあっという間に拿捕。  あれよあれよという間に脱がされ、生まれた時の姿にされていく。    
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