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「んじゃ俺達はこれで…………行くぞ、フカヒレ」
「しゃー」
この世界の貞操観念は地球とは真逆。
男女間の常識が逆転しているのが当たり前の世界だ。
ゆえに地球の男と同じでアーベルジュの女の大半は、裸を見られても羞恥心を感じる事はあまりない。
とはいえ、やはり生肌を見るのには抵抗あった俺は、ルエルの引き留めてくる声をスルーして、そそくさとテントから退出。
夕陽が顔を出し始めた平原へと逃げ出した。
しかしそこで俺は、思いがけない人物と再会する事になる。
「ふぉっふぉっふぉ、相変わらず元気そうで安心したわい」
「え……? その声、もしかして……」
「久しぶりじゃのう、ユキトや。 元気にしとったか?」
そう、その人物とは、育ての親であり、血は繋がらずともかけがけのない大事な家族。
マークじいさんだったのである。
「じいさん!? な、なんでじいさんが王都に居るんだよ! どういうつもりなんだ、ツェリスカ! 王都が今危険なのは近衛のお前ならわかってるはずだろ! なのになんで!」
恐らくじいさんと共に来たと思われるツェリスカをキッと睨み、罵倒する。
「あー、それはそのぉなんていうか……」
いつもは反論ばかりしてくるツェリスカだが、今回ばかりは俺の剣幕にたじたじ。
視線を泳がすばかりでなかなか答えない。
その態度が余計火に油を注ぐ。
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