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「ぱっくんの国はIT先進国だからねぇ。課題ができてるんなら、何でも自由に作っていいよ」
「え、でも」
このゲームは、許可されていないサイトにアクセスしている状態なんですけど……。
と言うか言わないうちに、キーンコーンカーンコーン。タイムアウトになってしまった。私はぱっくんの不正を暴くどころか、自分の演習もこなすことができなかった。
「プログラミング、教えようカ?」
授業後、不機嫌になった私を見てとったのか、ぱっくんがそう話しかけてきた。
「え、でも」
「簡単だヨ、とっても」
教室に戻るとぱっくんはイスを持ってきて、プログラミングの手順を懇切丁寧に教えてくれた。
なるほどぱっくんはパソコンを熟知しているのか、情報処理の先生よりよっぽど教え上手だった。分かってくると何でも楽しい。文字列を打ち込むだけで、人形がまるで意志を持ったかのように動き出す。あまりにも楽しいので家に帰ってからも、演習で作ったミニゲームを色々といじってみた。
翌日、ぱっくんに見せてみる。
「やりこんだねえ」
と、ぱっくんは笑った。急にこなれた日本語を使うではないか、と一瞬ひるんだが、
「ちょっと、動かしてみてよ」
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