世界を救った少年ぱっくん

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 たとえば、定期テストの下書き。保護者のブラックリスト。あの先生とあの先生の、ちょっと見過ごせないやり取り。学校のセキュリティなどぱっくんにかかると、実は隙だらけなのだった。  先生の足音が近づいてきたら、ぱっくんはひゅっと画面を変える。だから、絶対に気づかれない。  個々の生徒たちのパソコンに入ることもできるかも。とぱっくんが言った日には、さすがの私もあわてた。 「それは、やめといた方が、いいんじゃない」  開けてはいけない扉もあるのだ。  実をいうと、私は学校から配布されたパソコンに、こっそりBL小説を書き綴っていたのだった。  しかも仲の良い男の子がぱっくんしかいなかったので、言葉遣いや立ち居ふるまいなど、読む人が読めば、モデルがぱっくんであるとすぐに分かってしまうことは、簡単に予想された。 (ヤヴァーイ)
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