自分を信じて。

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三時間は、あっという間に過ぎた。 今日はパンを買って帰ろうか。 「お疲れ様でした。」 従業員に挨拶をして、パンを鞄に入れて、着替えをした。 パンは、私のクロワッサンと他に色んなパンを買った。 今日も、商店街を自転車で漕ぎ、いつもの道を帰っていた。 商店街を出ると、公園がある。 ここは、学校の帰り道だ。 公園の前を通ると、ベンチのそばで猫にエサをあげている女性がいた。 自転車を入り口に止めて近寄ると、前に見た女性だった。 黒髪で肩まで伸びていて、白色のカーディガンの下にブラウスを着て、水色のロングスカートを履いていた。 背後に誰かがいると感づいたのか、女性は振り返った。 じっと見ていたせいか、 「なんですか?」と、質問された。 そうなるだろう。 「いや、あの。前に猫にエサをあげていた人に似てるな〜と思って。近付いただけなんで。気にしないでください」 と私は胸の前で、手のひらを向けて左右に振った。
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