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その日の夜。
もう一度、大学と就職先をネットで検索してみた。
母親が言っていた、
「大学へ行っても楽しくないから、退学する人もいるのよ」
という言葉を思い出した。
友だちは、別の大学を受験する。
今みたいに、毎日会えないのだ。
中学の友達とは、高校二年生の冬くらいから、連絡もとっていない、会ってもいない。
みんな、どうするんだろう?
一回メールしてみようか。
と、メールのアプリを開いた。
「久しぶり! 夜遅くにごめんね。受験する学校とか決まった?」
とりあえず、そう送ってみた。
午後八時過ぎ。
中学の友達は、今頃何をしているだろう?
「塾かな?」
高校ニ年までは、塾もバイトもしていなかった。
少し待っていたら、来るだろうか。
待っている間、窓を開けて空を見上げていた。
この町は、星がキレイだ。
携帯電話のカメラで、カシャッと夜空を撮った。
「あっ、流れ星!!」
あっという間に、流れ星は消えてしまい、願い事も出来なかった。
願い事は、沢山あるけれど、今は就職活動が失敗しませんように、だろう。
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