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【 第2話① 】
「あの、社長。柴崎先生って医者ですよね。心療内科の開業医をやってらっしゃるという」
「あん? もちろんそうだよ。そんなことはお前も昔から知っているだろ。それがどうした」
「クリエイトビルディングって、このシェルター製造を担当している我が社の下請け会社ですよね。その下請け会社の大株主が柴崎先生……というのはどういうことでしょうか」
「どういうことも何も、言葉通りだよ。柴崎先生は、クリエイトビルディング設立の際に50%を出資してるんだ」目も合わせず、面倒くさそうに答えた。
「そ、そうだったんですか」桐山の声色は、明らかに動揺していた。
「知らなかったのか? お前は親父の側近だったから、てっきり知ってると思ってたよ」
「柴崎先生が先代のご友人であることは知っていましたが、クリエイトビルディングの大株主であることは初耳です」消え入りそうな声で言った。
「そうか。まあ、設計部であるお前の仕事には関係ないから、親父もいちいち話さなかったのかもな」
「そう……ですね……」俯きながら、顔を歪めている。
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