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嗚咽を漏らす妻を抱きしめて、ゾーイは溜息をつく。
「今のお前の役目は、とにかく無事に生むことだ。そうして、次こそ姫君をお守りする。――次代の騎士を生み、育てることだって、大切な仕事だ」
「ゾーイ……」
大きな犠牲を払ったが、女王の結界は修復された。――アデライードが懸念していた、冬至の前に。
陽の極まる夏至の前日に東の皇帝が崩御し、陰の極まる冬至の前日に、未来の西の女王がその身を擲つ。辛いことではあるが、つり合いは取れているのだ。まさしく天と陰陽の調和を守るために――。
ふいに、ゾーイは思い出す。――そうか、あれからもう、一年になる。
昨年、主は〈聖婚〉を成した。今、この状況はすべて、主の〈聖婚〉から始まったと言える。
「アリナ……何があっても、我々は陛下たちに忠誠を尽くすだけだ。だが、俺はいい同志を得たと思う。――同じ気持ちを持つ妻と……そして、子供と。陛下たちもきっと、悲しみを乗り越えてくださる」
これからも何度でも、主も、そして彼らも、こうして困難な夜を乗り越えていくのだ。
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