19-6 永遠の誓い

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 大陸の臍と呼ばれ、聖地への玄関口であったソリスティアは、陰陽が分かたれてなお交じり合う世界の象徴的都市として、その後長きにわたって繁栄を極めた。イフリート家による混乱を鎮め、陰陽の調和を取り戻した皇帝シウリンは、若い頃の称号を取って後世、恭帝を呼び慣わされるが、とくに西の女王国では魔物を払う金龍帝とも呼ばれ、彼が常に連れていた黒い鷹と白い獅子のレリーフを、魔物除けのお守りとして家々の軒先に飾ることが流行となった。  シウリンの肩に止まる黒い鷹はエールライヒの子、さらに孫へと代替わりしたが、足元に座る純白の獅子は、老いてなお(たてがみ)が衰えることなく、生涯、二人とともにあったと言う。      ―完―
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