学生会館ラウンジ

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 小山の簡単な説明が終わった時、 「何々~、小山くんと北原くん、さっきから何やら良いお話をしてない~?」 佐伯先輩が僕たちの話に強い興味を示した。 「小山と北原は、さっきから如何わしい話をしているみたいですよ」と伊藤が言うと、小山は、「違いますよ。僕は北原くんに、三崎さんを紹介しようとしていたんです」と言った。 「それも如何わしいじゃん。というか羨ましい話じゃんか」と伊藤が返した。  この話に一番反応を示したのは、佐伯先輩だった。  缶コーヒーをテーブルにドンと置き、 「ええっ、ちょっと待って! 三崎さんが、なんでなんで?」佐伯先輩の驚く様子は不自然なほどだった。 「小山くんが三崎さんの知り合いだったことも驚きだけど」佐伯先輩はそう言って、 「あの子、彼氏、いないの?」と、佐伯先輩は目を丸くして驚いている。  伊藤が、「三崎さんていう人、佐伯先輩は知っているんですか?」と訊いた。 「知っているわよぉ。彼女、有名だもの。私の知り合いも、一回生の中にすごい美少女がいるって言っていたから」佐伯先輩はそう言った。「すごい美少女」と。 「佐伯先輩の知り合いって、それ、男子でしょ?」と伊藤が訊いた。 「そうよ、私の周りって、変な男ばかりだんだから、綺麗な子を見つけると、みんな、すぐに名前を調べちゃうんだから。困ったものよねえ」  小山は、佐伯先輩の話を聞きながら、僕をチラリと見て、「詳しくは後で」と言った。 「いいなあ、北原は」と伊藤が羨ましそうに言うと、小山が「君は彼女がいるじゃないか」と戒めた。  その後、中垣が、「そんな話、どうでもいいよ」と話の腰を折るように言うと、場が白けムードになって、そのまま散会となった。  中垣は、男女の浮いた話には全く興味を示さない男なのだろう。
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