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今のようにミステリーが盛んではなかった時代だったが、江戸川乱歩、横溝正史、松本清張などの推理小説の数は多かった。今では少なくなったSF本も和洋共に書架を賑わせていた。
けれど、それらの本に対する情熱は既に失われていた。何故なら、それらの本は大学に上がるまでの時期、つまり中高生の時代にほとんど読んでしまっていたからだ。
僕が興味があったのは、それらの本よりも、純文学の本だった。
といっても、その時の僕は、川端康成の「伊豆の踊子」「雪国」そして、三島由紀夫の「潮騒」「金閣寺」や太宰治の「人間失格」、夏目漱石の「こころ」くらいしか読んでいなかったし、まだ村上春樹にも手を付けていなかった。
僕はもっと純文学小説を知りたかったのだ。
なぜ、純文学に興味を持つようになったのか?
それは僕が文芸部に入部したからだ。
文芸部を選んだ理由・・
最初、僕は法学部なので、法律に関する「法学研究会」とかの方がいいかな、とかも考えた。だが、講義で法律を学び、更に部活でも法律・・うんざりするな、と思い却下した。
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