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話は元に戻り、
僕が、「三崎さんとどんな話をすればいいか分からない」と言うと、小山は、
「三崎さんに合わせておけばいいんじゃない?」と言った。
彼女に合わせる・・
そんなことを言われても、僕は未だ彼女のことを何も知らなかった。知っているのは名前とその容姿だけで、三崎涼子の趣味や家族などの環境も知らないし、性格も気性も何もかも知らなかった。
僕が「難しい」と困ったように言うと、小山はこう言った。
「たぶん、三崎さんは、北原くんと気が合うと思うよ」
彼女が僕と気が合う?
その言葉もさっぱり分からなかった。
続けて小山はこう言った。
「三崎さんは、北原くんとならつき合うと思うけどなあ」
三崎涼子が僕と交際する・・
そんな夢みたいな話を、小山は淡々と言った。
いつものように、「このお菓子、君にあげるよ」と、そんな口調だった。
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