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「旅行同好会」以外にも、「古美術研究会」「歴史研究会」とかあったが、それらも似たようなものだと聞いた。会員たちは、裕福な家庭の子息ばかりだ。
何かの研究と称して、旅行したり、週に一度は部員同士の親睦コンパ、また月に何度も合同コンパなど、男女の出会いの場を作ったりするのが主目的だ。
キャンパスを歩いていると、そんなクラブの連中は一目で分かる。まず、服装が違う。表情も違う。更に言えば、容姿端麗な子たちが多い。
たぶん良い遺伝子を引き継いでいるのだろう。
まさかとは思うが、美男美女ではない人間は、金持ち連中の同好会には入れないのではないか? そう思ったりもした。
実際、校内を颯爽と歩く同じクラブの人の群れを見ていると、容姿の劣る学生はいないし、暗い人間もいない。明るく活発そうな学生ばかりだ。
彼らには明るい未来しか待っていない。そう思えたほどだ。
僕は、とてもそんな連中の中に飛び込んで青春を謳歌する一員になる勇気はなかった。
僕は決して明るい男ではなかったし、遊びにお金を費やすほど裕福な家の人間ではなかった。
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