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「あぁー、花束贈呈やりたかったー」
由華は病院のベッドの上で一輪の花に向かって悔しい思いをぶつけた。
「河合さんの怪我がそこまで酷くなくて安心したよ」
「本当だよ。階段の1番上から下まで転げ落ちたんだろ? 打ち所が悪かったら、もっと大変なことになっていたんだから、運が良かったじゃないか」
凛の言葉に賛同するように、担任も由華を励ます。
「そっかぁ、私ってやっぱり運がいいのかー」
「そうよ! 河合さんは強運の持ち主よ」
「ありがと!」
「いつも気になってたんだけど、スマホ見ながら歩いたりしてたら危ないよ」
「そうなのか? お前、それはダメだぞ」
「はーい」
由華は舌を出した。
「じゃあ、俺たちはそろそろ帰るわ。河合、早く良くなれよ」
「河合さん、お大事にね」
「先生、音無さん、ありがとう」
担任と凛は病室を後にする。
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