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お姉さんと創太くんはまだ来ていない。
部屋に上がらせて待たせてもらう。
ソファーに座ると、
「今日は3人でどこに行くんですか?」
キッチンにいる東にそう問われた。
「ん?今日はね、3択。創太くんと東に選んでもらおうと思って」
そう、今日は創太くんもいるから一緒に楽しめそうなコースを考えた。
「東は遊園地、動物園、アスレチックのある大きな公園、どれがいい?」
遊園地、と言った時の東の目が尋常じゃないくらい輝いたのを俺は見逃さなかった。
「ぶっ、部長!遊園地……!遊園地行きたいです!」
東の剣幕に一瞬驚き、ふはっと吹き出してしまう。
子供みたいで可愛い……。堪えきれず声を上げて笑ってしまった。
「アッハハ!東、なに、そんなに遊園地行きたかったの?」
東といると、本当に自分の意外な一面ばかりが出て来る。声を上げて笑うなんてもう何年振りだろう。
「……部長、笑いすぎです……」
麦茶を片手に近づいて来て真っ赤な顔で膨れる東が堪らなく愛おしい。
「創太くん仕様のデートプランだったんだけどまさか東がそんなに食いついてくれるとは、遊園地を候補に入れておいてよかったな」
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