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いつもは仕事中、事務的な会話しかしたことがなかったからこんなに優しい顔で笑う人なんだと初めて知った。
イケメンの笑顔は破壊力が半端ない。
創太に対する接し方を見ていても、広岡部長の人となりがすごく滲み出ている。
社内イチ人望の厚い部長。
間宮部長がいつだったかそう言っていたことを思い出した。
まだほんの少し話しただけなのに、本当にその通りなんだろうなと思わされる。
人望があって顔もよくてしかも独身。
若くして花形部署である営業部部長にまで上り詰めた彼は、進藤と並んで、いや、それ以上に女性人気が高い。
そんな部長とスーパーまでご一緒するなんて、なんだか恐れ多い。
ハンバーグ！ハンバーグ！とはしゃいでいる創太を肩に乗せ、スーパーまでの道のりを2人で歩き出す。
「部長はなんだか子供の扱いに慣れてる感じがしますね。創太が初対面の人に懐くのは珍しいんですよ」
そう、創太はかなりの人見知りだ。
近所の人が挨拶をしてくれたり、スーパーのレジのおばちゃんがバイバーイ、と手を振ってくれたりしても、私や姉、義兄の後ろに隠れて小さく挨拶を返すのがやっとだ。
慣れてしまえば人懐っこいその性格を存分に発揮できるのだけど。
それが、今日の創太は初対面の部長に対して人見知りを全く発動していないように見える。
部長の人柄がなせる技だろうか。
「そうなの？俺にも姪っ子がいるからかな。姉の子で5歳なんだけど妙に懐かれちゃって……」
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