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奈美と進藤に勇気をもらって、その日の終業後部長にメールをした。 うじうじ悩んでいても仕方がない。 部長が出張に行ってしまう前に気持ちを伝えるつもりだった。 『お疲れ様です。部長にお話したいことがあります。出張前でお忙しいと思いますが、今日の夜少しお時間頂けませんか?』 送ってからずっとソワソワしていた。 18時になっても返事はない。忙しいのだろうか。 意味もなくスマホを弄ってしまう。 それから30分くらい経った頃、部長から着信があった。 1コールで出られる勢いだったが、さすがに恥ずかしいので3コール目で取った。   「……東?俺今帰宅中だから、そのまま東の家に行っていい?」 部長の、蒼介さんの声。低くて優しい声。今朝振りに聞くその声に少しホッとする。 「……いやっ、部長は出張の準備とかでお忙しいでしょうし、ご迷惑でなければ私が部長の家に伺いますっ」 そう答えると、一拍置いてわかった、あと5分もすれば着くからマンションの前で、それだけ言って電話は切れた。 いつでも出られるよう身支度は整えていたので お財布やケータイだけを小さいバッグに入れて急いで家を出た。  部長のマンションの前に着くとちょうど部長も来た所だった。 「悪い、待たせたな」 「いえ、私も今着いた所です」
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