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「なんか、姉がすみませんでした……」
2人が帰って一気に静まり返った玄関先で部長に詫びる。
「いや、全然。ちゃんとご挨拶できてよかった。でも今日は会社では見られない東のいろんな顔が見られて得した気分だな」
リビングに戻りながらそう言って部長はくっくっと面白そうに笑う。
なんだかちょっと恥ずかしくなって、
「そうですか?」
と問うと、
「ああ、東は会社では淡々と仕事をこなしてあまり感情を表に出さないイメージだったから、こんなにいろんな表情をするのかと驚いたよ」
しかも料理も上手いし、子供の世話も慣れたもんだったし、と部長が付け足す。
さらに、こんな東勿体無いから他の奴らには見せたくないな、とぼそっと言うものだから、一瞬で体が沸騰した。
……またそういうことをサラッと……。
もう、部長は天然のたらしなのかもしれない……。
赤くなった顔を誤魔化そうと、
「……部長こそ、会社とは全然イメージ違いません?こんなに笑う人でしたっけ」
と問えば、
「そう?まぁ仕事とプライベートはまた別だからな」
なんて最もらしいことを言う。
「……こんなにサラッと女性が照れるセリフ言う人だとも思ってませんでした」
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