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「ねー、芽衣子、なんか今日はご機嫌じゃない?いつもより早く出勤してたみたいだし」
もうすぐでお昼休憩になろうかと言う時間。
ひたすらパソコンと向き合って営業部から頼まれている見積書の作成に没頭していた。
いつも通りのつもりだったが、奈美にはわかってしまうらしい。
「んー?そう?早起きしたから調子良くて。久しぶりにお弁当も用意できたし」
何となく、朝の出来事は伏せてしまう。
奈美に今朝の出来事や金曜に起きたことを話したら、間違いなく目を輝かせて食いついてくる。
そして詳しく聞かせろと終業後居酒屋にでも連れ込まれて全て吐くまで帰してもらえないだろう。
恐ろしい子だ……。
今は内緒にしておこう。
「芽衣子、今日お弁当なんだ!じゃあ社食行かないでここで食べる?」
「うん、そうしようかな」
「じゃあ私もコンビニでお昼買ってくる。先食べてていいよ!」
午前中の作業をひと段落させて、奈美がお財布を片手にオフィスを出て行く。
それを見送って、私も途中まで完成した見積書を保存し、バッグからお弁当を出す。
早起きしたからお腹空いたな。
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