8776人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ、進藤も一緒に食べるの?」
「うん、今おかず交換してたんだ、東のきんぴらが美味そうで」
「おかず交換って、君たちは高校生か!」
私が心の中でした突っ込みを口に出してくれた奈美。
「……美味い!東、このきんぴら美味い!」
今しがた私から掻っ攫っていったきんぴらを食べた進藤が、絶賛してくれる。
「えー、そんなに美味しいの?私も食べたーい」
と今度は奈美が私のお弁当を恨めしそうに見る。
すると、
「東の弁当がどうしたって?」
と頭上から声が降ってきた。
「あ!広岡部長!」
振り返った進藤がお疲れ様です!と部長に声を掛ける。
「何か楽しそうだな」
私たちを見て、部長が言う。
「部長ー、東の弁当がめちゃうまなんですよ。今みんなでおかず交換してて」
「…おかず交換?」
部長が怪訝な顔になる。
ああ、部長におかず交換とか、高校生みたいなこと言うから……。
「俺は唐揚げときんぴら交換してもらって」
進藤が言うと、
「私は今サンドイッチとこの出し巻き卵交換してもらう所ですー」
と奈美が続ける。
「……いや、唐揚げときんぴらとか、サンドイッチと出し巻き卵とか、さっきから何か私の方が得してる気がしてならないんですけど……」
最初のコメントを投稿しよう!