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「えー!何それー!何でそんな大事なこと早く教えてくれないのー!」
頬を膨らませてぷりぷり怒る奈美。
そんな顔もまた可愛いのだ、この子は。
「ごめんごめん!……でもさ、何で部長が進藤にヤキモチなんて焼くの?」
「……そりゃあ芽衣子のことが好きだからに決まってるでしょう!」
ズバリ言われてポカンとする。
「っええ⁉︎どうしてそうなるの⁉︎ 」
びっくりし過ぎて刺身用の醤油を入れた小皿に手がぶつかり溢してしまった。
「芽衣子!もう〜危ない!」
溢れた醤油を奈美がお絞りで拭いてくれる。
ごめんごめん!と言いながら考える。
だって部長との接点なんて、ついこの前まで仕事上でしかなかったし、それもそんなに多かったわけではない。
確かにこの前創太と3人でご飯を食べたりして、ちょっと距離が近づいた気はするけど、どうしてそこでいきなり部長が私を好きって発想になるのかわからない。
「昼間の部長のあの様子見てたら、そうとしか思えない!あの進藤も何か感じ取ってたみたいだしね。私の勘、結構当たるのよー」
のんびり構えてた進藤がこれからどう動くか見ものね…とその後ニヤリほくそ笑んで呟いたそのセリフは私の耳には届かなかった。
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