8776人が本棚に入れています
本棚に追加
/119ページ
じゃあ、とどちらからともなくスーパーに入り、カートにカゴを乗せる。
今日はこの前の創太お気に入りの青い車じゃなくて、普通のショッピングカートだ。
するとさりげなく部長がカートを押してくれる。
「ところで、今日のメニューは何かな？」
部長がカートを押しながらちょっとワクワクした様子で問う。
ワクワクした部長なんてかなりレアだ。
「今日は和食がリクエストだったので、ブリの照り焼きときんぴらごぼう、この前美味しいと言ってくれた出し巻き卵と豚汁を作ろうと思います。お魚は好きですか？」
「ああ、魚全般好きだ。あの出し巻き卵もまた食べられるの嬉しい」
言葉の通り、本当に嬉しそうに微笑んでくれる部長。
「あっ、きんぴらは、部長にんじん苦手なので代わりにこんにゃくを使おうと思ってます。さすがにきんぴらではにんじんは隠せないので」
「ハハッ、それは確かに隠せないな」
話しながら必要な材料をカゴに放り込んでいく。
「そうだ、この前は東の家にお邪魔してしまったから今日は俺の家に、と思っているんだがどうだろう？」
豚汁に入れる大根はどっちが美味しそうだろう、と2本の大根を真剣に比べている時に唐突に部長に尋ねられた。
最初のコメントを投稿しよう！