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「……!いやいやいや!だっ大丈夫ですっ!」 予想外の一言に慌てる。部長の服をお借りするとか、恐れ多いしなんか照れる……! 「うん?そのままだと風邪引いちゃうから」 部長は意に介さない、と言った顔で私を見つめる。 洗面所はここにあるから使って、と先ほど部長が出てきた扉を指す。 そ、そうですよね、部長は意識なんてしないですよね。 濡れたままだと風邪引いちゃいますもんね。 意識してしまった自分が急に恥ずかしくなる。 「そっそうですよね……!ありがとうございます、お借りします!」 タオルと着替えを受け取って、まずは廊下を汚さないように玄関先で足をしっかり拭く。 そして洗面所、お借りします、と廊下を進んで右の扉を開けてびっくりした。 だって、ホテルのそれみたいだったから。 なんか、すごい。 きょろきょろしながらも頭から爪先までもう1度しっかり拭き、濡れたジャケットとシフォンのボウタイブラウスを脱ぐ。 キャミソールはそのままに、部長の貸してくれた白いロンTを着る。
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