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部長に言われた通り浴室に干させてもらい、浴室のドア横に付いていたパネルから"乾燥"のボタンを見つけて押す。
浴室もダークブラウンを基調としたモダンな雰囲気で、それがまた部長のイメージにぴったりだった。
洗面所を出て廊下を進み、リビングがあるであろうドアをガチャリと開ける。
「部長……?」
声を掛けると左側のキッチンから、「ああ」と声がして部長が私を振り返った。
どうやら買ってきた食材を冷蔵庫に入れてくれていたらしい。
部長の部屋着姿……、カッコいい。
グレーのパーカーの中には白いTシャツを着て、下には黒のスウェットを履いている。そんなラフな姿がまたサマになる。
いつもは後ろに流している黒髪も、雨で濡れてタオルで拭いたからだろう、今はサラサラと額や耳に掛かってそれがとても色っぽい。
スーツでビシッと決めている時よりも少し幼くなる。
そして、全身から色気がだだ漏れだ。
「東、寒くないか?下に履くもの貸してやりたいが、生憎全部同じサイズのものしかない」
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