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部長のハッとした顔を見て我に返る。
「……!あっいやっこの前のお礼に一生懸命作りましたって意味で、その、あのっ……」
かぁぁぁっ、と洗面所での部長と同じように音まで聞こえそうな勢いで顔が赤くなる。
しどろもどろになりながら何とかそれだけ言うと、
「……東、米粒付いてる」
予想外のことを言われた。
こ、米粒……!だからハッとした顔で見てたのか!
な、なんか色んな意味で恥ずかしい……!
「こっ、米粒…⁉︎どっどこですか⁉︎」
「……ん?ここ」
そう言われるのと同時に部長の手が伸びてきて、親指で口の横を掠め取られる。
そして指に付いた米粒を、それはもう色気たっぷりの仕草でペロっと食べた。
かぁぁぁぁっ!さっきよりもさらに赤くなった顔を慌てて両手で覆う。
ダメだ、部長の色気にやられそう……。
「……すげー殺し文句」
「……え?」
一瞬、なんのことを言われているか分からなくてそっと上目遣いで部長を見上げる。
すると今度は部長が片手で口元を覆う。
心なしか耳が赤い気がする。
「……俺、ずっと理性を総動員して我慢してるのに……。その顔も、反則」
顔を覆っていた部長の手が伸びてくる。
そっと右の頬に触れられてピクッとと反応してしまう。
触れられた頬が熱い。
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