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何かに耐えているような、熱っぽくて切なそうな色が瞳に浮かぶ。
え、えっ……⁉︎
今、何が起こっているの……⁉︎
そういう顔…⁉︎どういう顔…⁉︎
頭が追いついていかない。
部長に触れられている頬に全神経が集中する。
ガタッ。
部長がおもむろに椅子から立ち上がり身を乗り出す。
頬に触れていた大きい手のひらが、すっ、と後頭部に回される。
回された手にグッと力が入り、次の瞬間、唇には柔らかい感触がして、視界が部長でいっぱいになった。
それは、私をそっと啄むようなキス。
……キス、されてる、私、部長に……。
唇が少し離れて、もう一度触れた。
今度は部長の舌が私の唇をなぞる。
その感触にぞくっとして少しだけ開いた口に、隙あり、と言わんばかりに部長の舌が侵入してくる。
角度を変えて、何度も、部長の舌は私に侵入して私のそれを絡めとる。
先ほどよりも弱くなった雨音しか聞こえない部屋に、キスの音が響く。
「….ぶ、ぶちょ……っ」
もう息ができない……。頭も体も芯から蕩けてしまいそう……。
「……ん、ふっ……」
自分の声とは思えない声が漏れた。
すると、部長の唇がパッと離れた。
「……悪い。理性、どっか行ってた」
ドサッと椅子に座り込む部長。
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