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間違ってはいないですけど!
それにしたってそんなわざわざ誤解させるような言い方……!
部長のその言動に動揺を隠せない。
ブーブーブーブー。
またスマホが震えた。進藤だろうか。だとしたら結構しつこ……いや、粘るな。
だが今度は部長はそれに出ることなく電源を切った。
そして私は未だ部長から解放される気配はない。
「あ、あのぅー部長、そろそろ離してもらっても……」
私を抱えていた部長の腕が緩んだと思ったらくるっと向きを変えられ部長と向き合う形になり、廊下へ続くドアを背に部長に挟まれる形になった。
そして私の顔の横に両手をついて、その中に閉じ込めた。
……なんだ、この少女漫画的展開は……!
恥ずかしくて顔を上げられない私の顎を片手でくいっとして部長の切長の漆黒の瞳に捉えられる。
「そういうわけだから東、明日は俺とデートして?」
真っ赤な顔であわあわしている私に部長はちゅ、と触れるだけのキスを落とし、極上の笑顔で微笑んだのだったーーーー。
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