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「え？東？結婚はしてないよ。…子供？ああ、それはたぶん東のお姉さんの子供だな。近所に住んでて、たまに保育園のお迎えを頼まれるらしい」
「なんでお前がそんなこと……」と間宮が言い掛けて、ははぁ〜と意地悪い笑顔になる。
「……ふ〜ん、お前が、東をねぇ〜」
ちっ。間宮に聞いたのが間違いだったか。
否定も肯定もせず、うるさい、と一蹴する。
「恋だの愛だのに興味のなかったお前がなあ〜。まあ、東は人気だからせいぜい頑張れよ」
ぽんっと俺の肩を叩いて去っていく。
……知っている、東に人気があるのは。
でもそれからというもの、俺には仕事上で接点を持つ以外に何も出来ず、無情にも時間だけが過ぎていった。
この年になって片想いだなんて柄にもない。
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