5side蒼介

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瞬時に頭の中で今週の自分のスケジュールを確認した。金曜なら行ける。 そうして東に金曜の約束を取り付け、個人スマホの番号とアドレスを教えた。 なのに、金曜になるまで東からの連絡は一切なかった。 ようやく来たと思ったら、その日東は進藤と一緒に出勤してきた。 どす黒い気持ちが湧き上がる。 東は進藤と付き合っていないと言った。 でも進藤は東のことが好きだ。見ていてわかる。 だが渡したくない。俺の中の独占欲が目を覚ました瞬間だった。 2度目の食事は俺の家で。そう決めていた。 東に何かするつもりはなかった。 なかったのに、急な雨に降られて俺のTシャツ1枚の姿で俺の前に現れた東を見て、さすがに理性が飛びそうになった。 Tシャツの裾から伸びた色白で綺麗な細い足……。直視できなかった。 俺のスウェットが大き過ぎたからとはいえ、無防備すぎる。それだけ俺のことを男として意識していないということか……。 何とか理性を総動員して耐えていたのに、 「……部長のために、一生懸命作りましたから」 その思わぬ殺し文句と、真っ赤になった顔を手で隠して上目遣いで俺を見る姿に、理性など一瞬で吹き飛んだ。 触れるようなキスから貪るようなキスへ。 止められなかった。 「……ん、ふっ……」 東のエロい声が漏れ聞こえて、ゾクっとした。 これ以上すると止められなくなる、そう思った。
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