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……部長の雰囲気が甘い。 私の知っている部長は例えるなら無糖のブラックコーヒーみたいな人なのに、今日はカフェオレみたいに甘い……。 しかも、今日は抱きしめられたりキ、キスまで……! お酒が入るとキス魔になるのか……? いや、1回目の食事の時はビールは飲んだけどそんなことはなかった。 じゃああのキスは一体何……? お風呂の中でもベッドの中でもいろいろ考え過ぎてなかなか寝付けず、翌朝目が覚めたのは8時を過ぎた頃だった。 全然寝た気がしない……。 はぁ……。部長が来る前に準備しなきゃ。 でも昨日の今日で2人きりは気まずい。 うー、どうしよう、どんな顔して会えば……。 すると、ベッドサイドに置きっぱなしにしていたスマホが震えた。 着信を確認すると、姉だった。 ベッドに腰掛けたまま出る。 「芽衣子、ごめーん!起きてた?」 「うん、起きてた。どうしたの、こんな朝から」 「芽衣子、ほんっとーに申し訳ないんだけど、昼過ぎまで創太預かってもらえないかな⁉︎今日美容院予約してたのすっかり忘れてて、孝志さんも仕事でいないし預けられる人いなくて……!今日を逃せばしばらく行けそうにないし……。あ、でも何か予定あった⁉︎」 電話越しでもわかる、とても慌てている姉。 うちの両親も孝志さんのご両親も地方に住んでいるので、何かあった時すぐには頼れない。 こういう時のために私がいる。 でも、今日は不本意ながら部長とデートの約束が……。 ……そうだ。 創太を預かることを口実に、デートをキャンセルさせてもらえばいいんだ!
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