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デートの方が先約ではあったけど、この場合は致し方ない。創太の方が大事だ。 うん、我ながらいいアイデア! 「ううん、大丈夫!預かるよ!」 2つ返事で答えると、姉は「ほんっとーにありがとう!10時前に預けに行くからよろしくお願いします!」そう言って電話を切った。 よし、そうとなればまずは部長にメールだ。 『おはようございます。今日急遽創太を預からなければいけなくなりました。申し訳ないのですが、今日のデートはキャンセルまたは延期にさせてもらえませんか?』 キャンセル、というのも角が立つかと思い、一応譲歩してキャンセルまたは延期、という文章にした。 送ってすぐ、部長からメールではなく着信が来た。 うわっ。電話が来ると思ってなかったから慌てる。 「……はっはい!」 「……東、お姉さんから許可がもらえたら、今日は創太くんと3人で出掛けよう。……逃がさないよ?」 ニヤリ、と不敵な笑みを浮かべる部長が電話越しでも想像できた。 ……う、バレてる。創太を口実に逃げようとしたのバレてる。 部長は昨日からなんだかおかしい。 私にキスしてみたり進藤を挑発してみたり……。 少なくとも私の知っている今までの部長ではない。 ……まあ、今までの部長と言ってもあくまで職場での部長しか知らないのだが。
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