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「お姉さんは何時頃預けに来るの?」 「10時前には来るって言ってました……」 「じゃあその前に俺も行くから。待ってて」 そう言って電話は切れた。 ……結局出掛けることになってしまった……。 でも、2人きりじゃない。創太がいる。創太がいれば、部長のことを変に意識しないで済むかもしれない。 創太に構っていれば余計なことを考えなくて済むはずだ。 今日キャンセルして後日2人きりでデートすることになるより、ずっといい。 ……は!時間!急いでスマホの時間を確認すると、8時半を回った所。あと1時間以内に準備しなきゃ。 そうしていつものナチュラルメイクを施し、創太と出掛けるからと動きやすい格好を意識して黒いシンプルなTシャツと濃いネイビーのテーパードデニムの上から白地に黒い細ストライプのロングシャツワンピースを羽織った。 いつもは下ろしている顎までのモカブラウンのボブヘアを無造作に1つに纏める。 どこに出掛けるかわからないから、リュックの中に創太の着替え1セット、おやつに水筒に少しのおもちゃを入れて準備した。 朝ご飯をゆっくり食べてる時間はなさそうだから軽くトーストした食パンにバターを塗って砂糖とミルクたっぷりのコーヒーで流し込む。 急いで歯を磨き終わった所でピンポーン、とインターホンが鳴った。
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