Love with R

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「あ、いらっしゃい凛子ママ え?莉子ちゃん?」 接客の途中に俺に気付いた店主の嫁の(れん) この二人はBARの客で莉子とも顔見知り レガーメで人気のシルバーショップのオーナー夫婦 これだけ人気なのに従業員を雇わず 二人で店を回しているから 入店制限をすることになっている 「凛子ママ、そういうこと?」 「あぁ、そういうこと」   「宙、急ぎのって凛子ママのだったの?」 「そうだよ、理不尽に急かすから」 「結果オーライ」 「何が結果オーライだ」 悪態をつきながらも完璧な彼のジュエリーは 人数制限するほど高評で常に品薄状態 「お詫びにご馳走する」 もちろんBARの酒の話だが 「おっ、良いねぇ」 早速食いつく宙と、接客に戻りかけたのに 「それって私もよね?」 確認のためだけに戻ってくる恋 いつ見ても一緒で仲が良い二人は お客の目も楽しませているらしい 「確認するか?」 「いや、このまま貰って行く」 「期待は裏切ってねぇが 不具合は再加工受け付けるからな」 「宙に限って、それはないだろ」 「まぁな」 強気な発言に拳を突き合わせて 「また」と店を出た 「凛さん、何買ったの?」 「内緒〜」 「またそれ?」 「またそれ」 莉子にも渡すからバラしても良いんだが どうせなら格好良く渡したい 駅前広場を抜けて中央駅の隣にあるホテルに入ると、迷わずエレベーターに乗った 途端に俺の思惑に乗っかろうと開き直ったのか 莉子は「楽しみ〜」なんて 動く階数表示を眺め始めた
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