高嶺の花が咲く?

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「「「カンパーイ」」」 同期の三人での飲み会は いつもお決まりのイタリアン 雑誌によく取り上げられるチェーン店で お値段もリーズナブルで居心地の良い店 「一日中噂話しか聞いてないんだけど」 デキャンタワインを恐るべき速さで減らしていく真澄は 「どんだけ莉子の話をしたことか」 喉が乾いて仕方ないとピッチの早い言い訳をした 「私の所為なの?」 「決まってんじゃん」 「俺も、今日何度かガードもした」 「マジ?てか、青木!ちゃんと守りなさいよ?」 「分かってるよ」 結局のところ今日気づかないうちに笑顔を振り撒いた所為で 同期に皺寄せがいったことは理解できた 「笑うなってこと?」 笑っただけで周りが騒がしいって 私のイメージが鉄の女ってことなのだろうか? 「取り付く島のなかった莉子がさ 話しかければ応えてくれるし 笑いかけてもくれるなんて・・・ 青天の霹靂じゃない?」 料理が運ばれてくる前なのに 既に真澄の目が座っているのが怖い 「私だって人間なんだから〜 笑うことだってあります〜」 珍獣発見みたいに笑った程度で騒がれても困る 「だからよ!これまでは色黒を気にして極力異性と関わらなかったでしょ? それが、いきなりの手のひら返しよ」 この場合の手のひら返しの意味は合ってるのだろうか? デキャンタワインが一気に無くなったタイミングで前菜が運ばれてきた 「・・・おかわりぃ」 誰か、真澄を止めておくれ 正面に座った青木を視線を移すのに 女子力の高い青木は私を完全無視して 前菜を携帯電話で撮っていた
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