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決勝戦お題
「さぁ、いよいよ決勝戦に入ってまいりました〜行きますよ〜、お題は猫!」
おおおー
会場にどよめきが起こった。
「なかなか詩歌のお題ではあまり見受けませんねぇ、果たして3人の候補者はどうこれを詠い上げるのか!」
そこで、スッと手の上がる候補者がいた。
「な、な、なんとーもう準備できたのでしょうか!では五月女彩月さんお願いします!」
「おけ!おなしゃす!」
「お、おなしゃす?はい、ではお願いします!」
「チェックワンツー、チェックワンツー、よし行こうか」
これは五月女が毎回やる枕詞の様な部分なのでもう、誰も驚かなくなっていた。
ここからである。
「猫の目の様に社会は回る
荻野目のようこも逆に流行る
ねこもしゃくしも流行りに飛び乗り
僕もくしゃみを堪える毎日
好きなのにアレルギー
心は荒れる日々
そうさ猫アレルギー
好きなのに近づけない
理不尽な病い
君が近づくと
呼吸乱れる
だから近寄らないように
冷たくあしらう
もしかしてアレルギー
君も猫と同じ
理不尽な病い」
「五月女彩月」
うわぁぁぁあー
ぱちぱちぱちぱちぱちぱち
歓声と拍手で場内は沸いた。
「静粛にーはい静粛にー!」
司会のセニョール西東も皆を落ち着かせようとする。
この後の生徒があまりプレッシャーがかからないようにという配慮もあるし、思考の妨げにならないようにというのもある。
しかし、内心このスピードでこの出来であればもう勝負はついた様な気はしていた。
「できました」
そう言って手を挙げた
小納戸入鹿を少し同情した目で見てしまったのは致し方ない事だった。
「では小納戸入鹿くん!お願いします!」
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