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審査委員長の小納戸塁がマイクの前に立った。
「えー今回の詩歌トーナメント戦は初めての試みとして他校からの参加をお願いしましたが、予想以上に素晴らしい大会になりました。得に五月女彩月さんの作品はスピードと内容ともに申し分ないと言わざる終えません」
ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱち
ギャラリーから拍手が上がる。
「わが愚息もなかなか良い作品とは思いますが、あとひと展開欲しい気もしました」
入鹿は悔しいという顔も納得した顔もせず淡々と聞いていた。
「しかしながら、最終的に詩歌のそもそもの意義に鑑みるに、極楽寺礼華さんの作品を良しとする以外ないという結論に達しました。礼華さんおめでとう!」
わああああああ
ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱち
歓声と拍手がなかなか鳴り止まなかった。
礼華は困ったような顔で壇上にあがると珍しくペコリとお辞儀をした。
「それではこれをもちまして!第四回詩歌トーナメント戦!終了となります!優勝者は極楽寺礼華さんでした!」
司会の西東さんも心なしか感極まっているように見えた。
「では、ご縁があれば、また1年後にお会いしましょう!ありがとうございました!」
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